家づくりが始まると、
「断熱等級6が良い」
「UA値は低いほど安心」
こんな言葉がたくさん出てきますよね。
もちろん、性能はとても大事。
でも、本当に大切なのは
“数字を上げること”ではなく、
“冬に寒くない・夏に暑くない家”をつくること。
実はここ、似ているようで全然違います。
かお正直欲しいのは数字じゃなくて、体感の満足度
「暖かい・涼しい家」を叶えるために必要なこと
結論はこれです。
冬の暖かさ=断熱 × 気密 × 冬の日射取得
夏の涼しさ=断熱 × 気密 × 夏の日射遮蔽
つまり、等級(UA値)だけ見ても快適さは決まらない。
断熱と、窓からの太陽の力をうまく家に取り入れる 「日射取得(にっしゃしゅとく)」 を合わせると最強です。
例えば、南の窓から入る日差しは、エアコン1台分くらいの暖かさ を生むこともあると言われています。パッシブデザインって、日差しからの熱をよく考えてますよね。



UA値0.46の家でも暗くて寒い家がある。
UA値0.6でも明るくて暖かい家がある。それはこれが理由
断熱(UA値)と気密(C値)は、まったく別のもの
まずはおさらい。
「UA値とC値って何?」を整理すると…
UA値(断熱性能)
→ 家の外に“熱が逃げにくい”力
→ 数字が低いほど高性能
→ 断熱等級はこのUA値で決まる



UA値は家の魔法瓶性能。低いほど、象印レベルで温度が逃げにくい家になる。数値が高いほど、100均ボトルみたいに外気に左右されやすい家に。
C値(気密性能)
→ 家の“すき間の少なさ”
→ 数字が小さいほど良い
→ 暖房・冷房の効きやすさに直結
つまり、断熱と気密の組み合わせって、、、
イメージはこれ
- 断熱=ダウンコートそのもの
- 気密=コートのファスナーと袖のゴム
どちらか一つだけ良くても、暖かくはなりません。
断熱(UA値)をよくする方法
UA値を下げる(性能アップ)には、この3つだけで十分改善できる。
① 窓の性能を上げる(いちばん効果大!)
家の中の熱は 約6割が窓から逃げると言われています。
だから…
- アルミ → 樹脂サッシ
- 普通のペア → Low-E複層ガラス
- もっと性能上げたい → トリプルガラス
これだけで UA値が0.05〜0.15 変わることも。
② 断熱材を強化する
断熱材は家の“あったか素材”。
- 壁:90mm → 105〜120mm
- 屋根:155mm → 180mm
- 床:60mm → 75mm以上
例えばこんなふうに厚くすると確実にUA値が下がる=断熱等級が上がる。
そして、こだわる人は「使う断熱材」まで、こだわりましょう!


③ 窓の“面積”を見直す(設計が超大事)
UA値は窓の面積に大きく左右されます。
- 大きい窓を少し小さくする
- 窓を減らす
- 西日の窓を控えめに
これだけで等級が1個変わることも。
気密(C値)が悪いと、断熱の力は半減する
C値とは家のすき間の大きさ。



C値1.0は、家に“はがき1枚分”の穴が空いてる状態。
0.5ならその半分。
0.3になると名刺1枚ほど
- 一般住宅:2.0〜5.0
- 快適な家:1.0以下
- 高性能住宅:0.5以下
スキマが多いと…
- 暖房 → 逃げる
- 冷房 → 入ってくる
- エアコンが休まらない
=電気代アップ、暑い寒いの原因に。
だから、“断熱 × 気密” がそろって初めて快適になる。



そして忘れてほしくないのが、さっきもお伝えした射熱。
UA値とC値に振り回されない家づくり


性能は大事。
でも、数字だけを追いすぎると迷子になります。
窓が多いことで得られる光の心地よさ、
日射で家がふんわり暖まること、
影の形が変わる時間の楽しさ。
こういう暮らしの快適さはUA値では測れません。


数字は「安心材料」、快適さは「体感」
数字は安心の根拠になる。
でも、家の心地よさは「暮らしの体験」でしかわからない。







数字と、暮らしの心地よさ。
この2つのバランスが、あなたの家の“正解ライン”。

